ChatGPTが登場したことによって、「検索が必要なくなるのではないか?」という考えが、頭を少しよぎるかもしれません。
ChatGPTを使っていて、僕も一瞬考えました。しかし、場合によって検索とChatGPTを使い分ける必要がまだあると感じます。
そこで、ChatGPTを使った方がいい場合をいくつか紹介します。完全に個人的な感想ですが、参考になると嬉しいです。
難しい文章を分かりやすく書き換えたい場合
日常生活の中で、ときには、難しい文章を読む必要があると思います。理解できなくて焦ったりイライラしてしまうのは嫌ですよね。ChatGPTは難しい言葉が使われた文章を、分かりやすく書き換える能力に長けています。論文は難しい言葉で書かれていることが多いですが、五才児でもわかるように書き換えてくれます。
例えば、つぎのような論文の抜粋があります。どんな内容なのかをざっくり知りたいときは、この抜粋に「以下の文章を5歳児でもわかるように書き換えて」というメッセージを添えてChatGPTに送ります。
内発的に動機づけられていた課題に対して,成績に応じた外的金銭報酬を付加すると,内発的動機は低下する(アンダーマイニング効果)。内発的に動機づけられて課題を行っているときは,外的金銭報酬がなくても,課題開始の合図に対して前頭前野外側部が反応し,課題をうまくこなすことができただけで線条体が反応したが,アンダーマイニング効果によって内発的動機が低下すると,課題開始の合図に対する前頭前野外側部の反応も,課題をうまくこなすことができたときの線条体の反応も,外的金銭報酬なしには見られなくなった。課題で用いる道具を指定されたときと自分で選んだときとでは,後者を人は好み,課題成績も高い。指定されたときは,課題に失敗すると前頭前野腹内側部の活動が顕著に下がったが,自分で選んだときにはそのような活動低下は見られなかった。これらの結果は,内発的動機づけとその変動には,前頭前野の外側部と腹内側部そして線条体が重要な役割を果たしていることを示唆している。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/34/2/34_165/_article/-char/ja/
すると、つぎのように書き換えられて返ってきます。
「自分でやりたい」という気持ちがあると、課題をやるときに頭の中のある部分が反応して上手くやることができます。でも、お金をもらえるという報酬があると、自分でやりたい気持ちが下がってしまうことがあります。また、道具を自分で選んだ場合は、成績もよく、やる気も高くなることがわかりました。これらの結果から、自分でやりたい気持ちや動機には、脳の前頭前野の外側部と腹内側部、線条体が大切な役割を果たしていることがわかりました。
ただ、文章を分かりやすく過程で、正確性や詳細が失われてしまうこともあります。どれくらい正確に書き換えのかは、ChatGPTにお願いするときの言い方によって、調節することができます。自分の必要に合わせて変更するのがおすすめです。
文中使われている言葉の意味を知りたいとき
辞書や検索エンジンで調べるのも一つの方法です。しかし、どうやって調べたらいいかわからないことがありますよね。
例えば、以下の文章における「張る」という言葉の意味を知りたい時、
彼は、昨年NHKの大河ドラマで主役を張った俳優です。
辞書や検索エンジンで「張る」の意味を調べてもいいですが、この文脈における「張る」の意味を知るには、出てきた情報から推測する必要があります。
以下は、goo辞書に載っていた意味です。
27個もあります。これを1つ1つ「この意味かな?」というふうに確かめるのは大変ですよね。
以下の文章における「張る」の意味を教えてください:
彼は、昨年NHKの大河ドラマで主役を張った俳優です。
「張る」の意味は、ここでは「主役を演じる」という意味になります。「主役を張る」という表現は、俳優が舞台や映画、ドラマなどで重要な役割を演じ、物語の中心的な存在となることを指します。この場合、「主役を張った俳優」とは、NHKの大河ドラマで主人公を演じた俳優のことを指しています。
特定の文章に使われている意味をすぐ知れるところが便利です。
すぐに答えが知りたいとき場合
例えば、「映画の解説をしてもらいたいとき」には、ChatGPTを使った方が便利かもしれません。
ChatGPTは以外にも映画に詳しいです。検索するのがめんどくさいことや、検索しても出てこないことがありますよね。特に映画を見ている最中なんかは、なるべくササッと知りたいことを知って、また映画に戻りたいはずです。
僕が最も驚いたのは、セリフの意図や登場人物の行動の意図を教えてくれることです。例えば、つぎのように聞けます。
映画を見ていないと絶対に答えられないような詳細まで応えられるのは驚きですよね。直接的な説明がないストーリでも理解しやすくなるので、この使い方は重宝しています。
個人的なアドバイスを知りたい場合
個人的な状況があって、それを前提とした上で回答がほしい場合はChatGPTを使うと便利です。検索して出てくる情報は、多くの人当てはまるように書かれた情報が多いためです。
知恵袋などの、人間に質問をすることができるサービスもありますが、次のような欠点があります。
- 回答が返ってくるまでに時間がかかる
- 多くの人に見られることに抵抗がある
- 専門性のある答えが得られる可能性が低い
これに対してChatGPTは、質問すればすぐに回答がありますし、たくさんの人に自分の状況を公開する必要もありません。
大量のデータを使用してトレーニングされているので、ある程度専門的な内容にも答えられます。
答えではなく、会話が目的である場合
当たり前ですが、会話をすることが目的であれば、検索よりもChatGPTを使った方がいいと思います。
まるで家族や友達と話すように会話することができます。AIだから、気を使わなくていいところもちろんですが、人間みたいな回答をしてくれるのは便利なところだと思います。
また、ChatGPTは傷つくようなことを言わないように配慮して作られている気がします。より多くの人が好む確率が高い文章を返してくれるからなのかもしれません。
ChatGPTの欠点
検索と比べた時に、ChatGPTが劣ってしまう点には次のようなことがあると思います。
- 知ることができる情報の範囲
- 回答の正確性
知ることができる情報の範囲
新しい情報については学習されていないため、新しい情報について聞いても正しい回答を得られないことがあります。
回答の正確性
ChatGPTの回答は正しくないことが結構あります。問題なのは、正しくない解答でも、つい納得してしまいそうなくらい言い方に説得力があることです。
多くの場合、検索によって得られる情報は、人間が確かめた上で載せられています。そういうこともあって、AIの学習によって導きされた解答の正確性は、それに劣ってしまっている感じがあります。
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