YouTubeの「クリップ」という機能はご存知ですか?
動画内で始めと終わりを2ヶ所指定することで、その間だけを切り抜いて共有できる機能です。
普通の共有機能は使ったことがあってもこちらのクリップ機能を使ったことがある方はあまりいないかもしれません。
現在、この機能を使って作れるクリップをカテゴリー別に視聴できるWebサイトを作っています。
クリップをわざわざカテゴリー別に視聴できるようにする理由
すでに便利な機能なんだからわざわざそんなサイト作る必要ないんじゃない?
そのように思う方もいると思います。新しくクリップを共有できるサイトを僕が作ろうとしているのは、次のような目論見からです。
- カテゴリー分けできるようにして、得たい情報が含まれる動画をすぐに見つけられたら嬉しい
- クリップ機能の共有に特化したサイトがあれば、切り抜きを作る動機が持ちやすくなるも知れない
- 切り抜きの著作権(翻案権)侵害の問題が起こらない仕組みにできるかも知れない
少し詳しく説明します。
カテゴリー分けできるようにして、得たい情報が含まれる動画をすぐに見られたら嬉しい
YouTubeのクリップ機能を使うと、TwitterやLINE上で切り抜いた部分を共有できます。もし個人が切り抜いた部分をカテゴリーで分類することができたら、特定の分野のクリップを集中して見られるようになります。
例えば、「ユーモアのある会話の仕方」というカテゴリーに興味を持っている人がいたとします。TwitterやLINEでは、ユーモアのある会話に関するクリップをまとめて一気に見ることは難しいです。
というのも、LINEであればクリップが友人や家族から送られてくる比較的ランダムなものであることが普通だと思うからです。Twitterについても、ツイートは検索することができるものの、特定のカテゴリーのクリップが含まれているツイートだけを限定して見ることは難しいです。
そこでYouTubeのクリップだけをカテゴリーごとにまとめたWebサイトを作ることで、例えば「ユーモアのある会話の仕方に関するクリップだけ見る」、というように特定の分野の情報を短い動画で簡単に見ることができるようになります。
クリップ機能の共有に特化したサイトがあれば、切り抜きを作る動機を持ちやすくなるかもしれない
クリップ機能は切り抜き動画の弱点をうまく補ってくれる機能だと思います。
現在、YouTubeで切り抜き動画がかなり流行していますよね。切り抜き動画って短時間で面白いシーンをサラッと見られたり、知りたい情報をすぐに知れたりしてとても便利だと思います。
加えて、切り抜きを見た人が切り抜かれる前の動画を作った”本家”の存在を認知する可能性があることから、本家の認知度が高まりやすいという利点もあります。
「利点がたくさんある切り抜き動画なんだからさらにその数が増えたらいいのに」と僕は考えていました。しかし、切り抜き動画を作るのにはかなりの労力がかかるという弱点があることに気がつきました。
例えば、切り抜き動画を作るまでには次のようなステップを踏む必要があります。
- 本家のチャンネルに切り抜きの許可を取る
- 切り抜きチャンネルを作る
- 本家の動画を手に入れる
- 編集ソフトなどを使って動画を切り抜く
- 動画をアップロードする
もちろん、一から動画を作り出している本家の方に比べたら労力は遥かに少ないかも知れません。しかし、誰もが気軽に「よし、この動画有益だから切り抜き動画を作ろう!」と思えるような簡単な作業ではないと思います。
YouTubeのクリップ機能は、
- 「クリップ」ボタンを押す
- 説明を追加する
- 切り抜きの始まりの位置と終わりの位置を決める
- URLを貼る
というように、これら4つの工程でクリップを作る人にかかる負担が比較的少ないことがわかります。
クリップ機能は、一般的な切り抜き動画の「作るためにかなりの労力がかかる」という弱点をうまくカバーしてくれていて、自分も切り抜きを作ろうという動機を持つ人が増えるのではないかという淡い希望を持っています。
切り抜きの著作権(翻案権)侵害の問題が起こらない仕組みにできるかも知れない
無断で切り抜き動画を作ると、元の動画を作った人の著作権(翻案権)侵害にあたる可能性があります。また、正式な手続きを行わなければ切り抜き動画で収益が発生しても、本家の人に直接的な収益が何も入ってこないこともあり得ます。
クリップ機能でも同じようなことが起こり得るのでしょうか?
おそらく、クリップ機能を使えば、著作権(翻案権)侵害になったり収益を奪ってしまったりする可能性はないと考えます。
その理由は、YouTubeのヘルプページに、他のソーシャルディアなどを使ったYouTube動画の共有がクリップ機能の利用方法として書かれているためです。
クリップにより、動画またはライブ配信の一部(クリップ)を選択して他のユーザーと共有できます。クリップは、ソーシャル メディアのほか、メールやテキスト メッセージなどで直接共有することもできます。
クリップの共有 – YouTube ヘルプ
また、一般的な切り抜き動画とクリップ機能を使う動画の切り抜きには、次のような違いがあります。
一般的な切り抜き動画
▶︎切り抜いた人が動画を所有している
クリップ機能を使った切り抜き動画
▶︎切り抜いた人はその動画を所有していない
こちらの説明ではその動画が誰のアカウントに存在しているかという観点を違いの判断基準として挙げています。
例えば、あのひろゆきさんの切り抜き動画などを作る場合、ひろゆきさんの元の動画をダウンロードしてから、編集して、その動画を自分のアカウントにアップロードすると思います。
切り抜かれた動画は自分のアカウントに存在しているとになり、切り抜いた人が動画を所有していると考えることができます。
一方で、クリップ機能で作る切り抜き動画の場合は、元の動画のページに移動した後に、設定された部分だけが再生されるパターンか、Webサイトの中で元の動画の設定された部分だけが再生されるパターンかのどちらであるようです。
自分のYouTubeアカウントにアップロードしていないため、切り抜いた人は切り抜き動画を所有していないと考えることができます。
法律の専門家ではないため、完璧な法律的観点から説明することはできないのですが、クリップ機能を使うと元の動画が再生されるという点はもしかするとお分かりいただけたかも知れません。
知識の共有という目的でクリップ機能を使ったら結構いい感じになるかもしれない
YouTubeのクリップ機能を使ったWebサイトの名前は、「Clip -知識の切り抜き-」にしよう考えています。
サブタイトルの「知識の切り抜き」には、学習したいことがあったときにこのサイトを使うことで学びやすくなってほしいという欲望が込められています。
見る人が限られないエンタメという分野もいいのですが、目的を知識の取得に絞った動画共有サイトにしようと計画中です。
それはなぜかというと、エンタメの動画を共有する場合に関してはTikTokやYouTubeのShortsなどのような縦スクロール型の方が向いていると思うからです。
もし、エンタメの動画も共有できるようにすると、「TikTokやYouTubeを見た方がいい」と思う人が多いと感じます。検索して短い動画から動画を得るという点で他のサービスよりも優位な点を作れるかも知れないと考えました。
一方で知識の動画は検索によって閲覧する方がいい雰囲気があります。最近のWebメディアでは「文字→動画」という流れがあって、ブログなどの読みものよりもどちらかというと、Twitterやインスタグラム、YouTubeなどの動画から情報を得る人が増えてきていると思います。
動画には情報量が多いという反面、文章のように流し読みをして重要な部分をパッと見つけるのが難しいと言われています。
クリップ機能を使って動画を共有するのであれ、共有する内容を知識に限定して、知りたい情報が話されている動画を検索することができるサイトを作ろうと思い立ちました。
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